用語解説

精密板金加工において、シャーリングマシン(板金材料を切断する設備)でシャーリングを行う際、上刃と下刃との間に隙間を必要とします。またブランク加工において、パンチプレスではパンチに対しダイのサイズが大きくなっており、こちらも隙間を必要します。これらのような隙間を「クリアランス」と呼びます。金属にせん断、打ち抜きを行う際、どうしても断面にダレなどが生じ、真っ直ぐにはなりません。そのため加工後の寸法には僅かな誤差が生じます。この誤差を考慮してクリアランスは必要となり、これがなければ機械に大きな負担を与えます。

なお、クリアランスがある状態でせん断やパンチプレスを行うと、断面の形状が、R状になった部分、凹凸の部分、ギザギザした部分ができあがります。そのためクリアランスの大きさについては、板厚、材質によってサイズの調整を行います。その調整により大きなバリの発生をなくし、バリ取りの時間やコスト上昇を防ぐことができます。