Before (改善前)

配電盤や分電盤をはじめとした、電気配線が必要となる装置機器は、安全上の問題や作業性を考慮して、電気配線をクリートを使って固定します。ですが、電気配線固定用にクリートを取り付けるには座板のタップが必要ですので、その固定のために座板へタップ加工を行う必要があります。更に、タップ加工だけでなく、クリート自体の購入費、組み立て費用など取り付けにはさまざまなコストが発生するため、製品1つあたりのコストが割高になってしまいます。

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After (改善後)

電気配線固定用の金具を、インシュロックへ変更することでコストダウンを行うことができます。電線を固定するだけの目的であれば、図のようなインシュロックを使って固定するだけで十分に機能を満たすことができます。電気配線を固定する目的は主に、①配線の絡みの防止、②作業者の安全性の確保、③作業性の向上などが挙げれますが、いずれも大きなトルクや強く固定することを必要とするものではありません。目的に合わせて、配線の固定方法を変えることでコストダウンへ繋げることができます。

POINT(要約)

多数の板金加工部品を組み合わせて製作される装置機器は、部品単体のコストダウンも検討しなければなりませんが、その部品はどういった目的で使用するのか、本当に使用するべきなのかということを考慮する必要があります。装置・機器類の中にはオーバースペックになりがちなものもあるので、目的に沿って設計することがコストダウンのポイントです。