最大25Aの太管まで対応する銅配管のロウ付けについて

 銅配管のロウ付けは、配管の接合方法の1つで、ガスバーナーやトーチで母材である銅配管を加熱させながら、銅より融点の低いロウ材を使用して銅製の2つの配管を接合させます。それと同時に、精密板金加工 配線組立.comが得意とする、半導体や医療用途に使用される精密空調機器ならびに温調機の一貫OEM製造を支える技術サービスの中核をなすものの1つでもあります。

 銅配管の接合方法にはほかにも「溶接」が挙げられます。銅配管溶接の場合は径が同じ2つの配管を接合させます。一方で、ロウ付けでは継手がある側の銅配管(拡管)に、もう一方の銅配管(直管)を差し込んだ上で、拡管部にロウ材を流し込んで接合させる(毛細管現象)というような違いがあります。

 溶接に比べたロウ付けのメリットとして、気密性を高めやすい、形状が複雑あるいは小さい箇所における銅配管の接合に向いているという点が挙げられます。当社が得意としている精密空調機器や温調機には流体を流すことで温度調整を行う機能を付加するために銅配管を備えているケースが非常に多く見られますが、これらの装置機器の配管においては漏れが許されません。そのため、銅配管の接合にはロウ付けが採用されているのです。

 銅配管のロウ付けの品質を高めるためのポイントとして、次の2点が挙げられます。1つ目は、トーチは母材である銅配管のサイズにより使い分けることです。銅配管のサイズが大きくなればなるほど口火が大きいトーチを使うことで、母材を効率的に加熱させることができ、またオーバーヒート状態による配管の穴開きも防ぐことができます。逆に銅配管のサイズが小さい場合はすぐに母材の加熱が完了することから、口火の小さいトーチを使わないと、ロウ材の流し込みすぎにつながってしまいます。
 もう1つはフラックスの使用と選定です。トーチなどで配管を加熱させることで、配管表面に酸化被膜が形成されます。この酸化被膜はそのままにしておくと、ロウの浸透を阻害し、それによりロウ付け箇所の強度や気密性に影響を及ぼしてしまいます。そこでフラックスを使って酸化被膜を除去させることで、浸透性の向上を図ることができます。当社においては、例えば銅とSUSの異種配管ロウ付けを行う際、気化フラックスと粉状フラックスを併用いたします。これはSUSのほうが銅より酸化被膜が形成されやすいため、2つのフラックスを併用することで、酸化被膜を一気に除去させるためです。

最大25Aの太管まで対応する銅配管のロウ付けの特徴

 精密板金加工を行う会社は日本に1000を優に超えるほど存在しますが、このように銅配管のロウ付けまで内製で一貫して行える精密板金加工業は日本を探してもそう多くはないです。精密板金加工 配線組立.comを運営する島田工業株式会社では、近隣の大手電機メーカー様との10年以上にわたる長いお取引の中で銅配管のロウ付けに関するノウハウを蓄積するとともに、その技術に対して高く評価いただいてまいりました。

 当社が精密板金加工に加えて銅配管も内製で一貫対応できることによりお客様へ提供できるメリットの1つには、リードタイム短縮と品質保証対応が挙げられます。通常の精密板金加工業では依頼しても外注対応となりますのでその業者への横持ちの分だけリードタイムが長くなり、またそのために品質保証もその精密板金加工業では難しくなります。

 当社はこれまでこのようなお困りごとを抱えている電機メーカー様、装置メーカー様の課題を1つ1つ解決していくお手伝いをしてまいりました。

<最大25Aの太管まで対応する銅配管のロウ付けの特徴>
特徴①

精密板金加工からの一貫対応により、製作リードタイム短縮とOEM製造における品質保証対応の実現

特徴②

穴径2mmのキャピラリーチューブから、最大25A(1インチ)の太管まで対応可能

特徴③

装置50台分の月産実績と、銅・SUSや銅・真鍮など異種材配管のロウ付け対応

 当社の銅配管のロウ付けが対応できる径サイズとしては、穴径2mmのキャピラリーチューブから、最大で25A(1インチ)の太管まで対応が可能です。月産能力としては、装置サイズや配管の適用箇所数にもよりますが、約50台分の装置に対して銅配管のロウ付け対応を行った実績を有しております。更に銅配管同士ではなく、銅とSUS、銅と真鍮というように異種材の配管にもロウ付け対応が可能です。

 また銅配管のロウ付けは完成品の精密空調機・温調機におけるリークが許されません。そのため、当社では独自の基準に基づいて作業者のランク付けを行っております。その社内査定で一定の技能が認められた作業者のみが銅配管のロウ付けが行えるような運用としております。これが、これまでの多くの電機メーカー様、装置メーカー様から高いご評価をいただけてきた土台となっているのです。お困りの会社様はお気軽にお問い合わせくださいませ。



<精密板金加工 配線組立.comの銅配管ロウ付け>
最大25Aの太管まで対応
最大25Aの太管まで対応
一定レベルの技能認定者のみによるロウ付け作業
一定レベルの技能認定者のみによるロウ付け作業
装置50台分の月産実績
装置50台分の月産実績
精密板金加工、配線組立も含めた一貫対応
精密板金加工、配線組立も含めた一貫対応

銅配管のロウ付けを行った、精密空調機・温調機のOEM製造事例

精密板金加工 配線組立.comにおいて銅配管のロウ付けを行っている、精密空調機・温調機のOEM製造事例を下記の通りに示します。主にクライオポンプに用いられるコンプレッサーユニットやチラーに用いられる恒温装置ユニットが挙げられます。この中でも特に恒温装置ユニットは銅とSUSの異種材配管のロウ付けを行った事例となります。

クライオポンプ用コンプレッサーユニット(小型)
クライオポンプ用コンプレッサーユニット(小型)
クライオポンプ用コンプレッサーユニット(大型)
クライオポンプ用コンプレッサーユニット(大型)
クライオポンプ用コンプレッサーユニット(中型)
クライオポンプ用コンプレッサーユニット(中型)
チラー用恒温装置ユニット
チラー用恒温装置ユニット